漫画「釣りキチ三平」で知られる漫画家矢口高雄(やぐち・たかお、本名高橋高雄=たかはし・たかお)さんが20日午後5時46分、膵臓(すいぞう)がんのため東京都内の病院で死去した。81歳だった。次女のかおるさんが25日、矢口さんの公式ツイッターで発表した。

「矢口の次女 かおるです。父・矢口高雄は11/20に家族が見守るなか、眠るように息を引き取りました。今年5月に膵臓がんが見つかり、約半年病気と闘っていました。すごく辛くて苦しかったはずだけど、涙も見せず頑張りました。最後まで格好良い自慢の父でした。パパ、ありがとう。そして、お疲れ様。」(原文のまま)

矢口プロダクションによると、しのぶ会を後日、予定しているが「時節柄、開催の時期をお示しできませんことをお許しください」とした。

矢口さんは1939年(昭14)に秋田県雄勝郡西成瀬村(現・横手市)に生まれ、増田高卒業後に羽後銀行(現北都銀行)に入行。その後、漫画誌に投稿を続け、69年に漫画誌「ガロ」に投稿した「長持唄考」が入選、掲載され、本名で漫画家デビュー。翌70年に「みなぐろ」を発表後、銀行を退職して上京。同年の「週刊少年サンデー」(小学館)に読み切り作品「鮎」が掲載され、メジャーの少年誌にデビューした。

70年の初連載作品「おとこ道」の原作者・梶原一騎さんからの勧めでペンネームを矢口高雄にして、73年「幻の怪蛇バチヘビ」、同年「釣りキチ三平」と相次いでヒット作を飛ばし、翌74年に講談社出版文化賞児童まんが部門を受賞。76年には「マタギ」で第5回日本漫画家協会賞大賞を受賞した。

01年には「釣りキチ三平 平成版」を発表し、話題を呼んだ。