2021年10月18日 05:28
「嵐」の二宮和也が、「64 ロクヨン」2部作や「糸」で知られる瀬々敬久監督の最新作「収容所(ラーゲリ)から来た遺書(仮)」に主演し、実在した山本幡男氏を演じることが明らかになった。二宮にとって、瀬々監督とは初めてのタッグとなる。
第11回講談社ノンフィクション賞、第21回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した辺見じゅん氏の同名ノンフィクションを映画化するもの。第二次世界大戦終了後、60万人を超える日本人がシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に不当に抑留され、捕虜となるなか、あまりにも残酷な日々に誰もが絶望する状況下にあっても生きることへの希望を捨てず、懸命に生きた男たちの姿を描く。
「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます」。零下40度を超える厳冬の世界を舞台に、1日10時間超の強制労働にも屈することがなかった人物を演じるに際し、二宮は「ただただ帰ることを想って、行ってきます」と山本氏の気持ちに寄り添いながら、撮影に臨む覚悟を短いコメントでにじませている。
この知られざる実話は、93年には故出目昌伸監督の演出により、終戦48年特別企画としてドラマ化されている。主演の寺尾聰をはじめ石橋蓮司、河原崎長一郎、ガッツ石松、田中隆三、いしだあゆみら豪華な面々が顔を揃えたことでも知られている。今回の映画化では、「黄泉がえり」「余命1ヶ月の花嫁」などヒット作を数多く手がけてきた平野隆氏が企画プロデュースし、「永遠の0」の林民夫が脚本を執筆。瀬々監督を加え、興行収入22.7億円を記録した「糸」の3人が再び結集する。10月下旬にクランクインし、22年1月中旬にオールアップを予定している。
「収容所(ラーゲリ)から来た遺書(仮)」は、2022年に公開予定。
二宮と瀬々監督のコメント全文は、以下の通り。
■二宮和也
“ただただ帰ることを想って、行ってきます。”
■瀬々敬久
どんな状況でも「それでも生きろ」、「希望を捨てるな」そんなメッセージが山本幡男さんの苛烈な人生からは伝わってきます。
先日、山本さんが生まれ育ち、妻のモジミさんが子供たちと戦後を過ごした隠岐の島に行ってきました。山本さんの生家は今はなく竹藪となっていましたが、目の前はすぐに海。
海はどこまでも続くようで、ここから人生を始めシベリアの果てにたどり着いた、途方もない旅に思いを馳せました。
山本さんら多くの人々を追い詰めてしまった状況を再び作らないよう、
戦争の起こした悲劇がもう再び起こらないよう、思いを込めて映画に取り組んでいきたい。そう思っています。
(映画.com速報)
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