歌手、さだまさし(68)が2021年度後期NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で朝ドラデビューすることが21日、分かった。戦後まもなく始まったラジオ英語講座の人気講師で「カムカムおじさん」と呼ばれた平川唯一(ただいち)さんを演じる。英語講座とともに100年の家族物語をつむぐ母娘3代のヒロインに影響を与える重要な役に「(コロナ禍の)日本を明るくするお手伝いができたら」と意気込んだ。
くしくも3月22日は、日本でラジオ放送が始まった「放送記念日」。戦後まもなく始まったラジオ英語講座の人気講師で、「カムカム-」のキーパーソン役に指名されたのは、“言葉の魔術師”さだだった。
「『連続テレビ小説からのお誘い』と聞き、やっと主題歌が歌えるぞ、と期待したら大違い。驚きの『出演』でした」
同作はラジオ英語講座と歩んだ祖母・母・娘の3世代が生きた昭和・平成・令和の100年史で上白石萌音(23)、深津絵里(48)、川栄李奈(26)の3人のヒロインがリレー形式でつなぐ物語。
さだが演じる平川唯一氏(1993年に91歳で死去)は岡山県出身で、終戦直後の46年から51年までNHKのラジオ英語講座、通称「カムカム英語」の人気講師を務めた。「戦後の日本を明るくしたい」と国民にわかりやすく明るく語りかけた「カムカムおじさん」は、日本中に英語ブームを巻き起こした。
「芝居は慣れていませんが平川唯一さんの役で、ラジオの声が主だと聞き、ホッとしています」というさだ自身、深夜放送のラジオパーソナリティーを長く務めてきたこだわりがある。2009年から月1回ペースで放送されているNHK「今夜も生でさだまさし」では、視聴者から届いたはがきの一枚一枚に、さだが丁寧に思いを寄せる。テレビ番組に、昭和のラジオ深夜放送のスタイルを持ち込み、長年人気を集めてきた。
さだは「終戦直後の暗い時代を生きて『日本を明るくするため』に頑張った平川さんのことを思うとき、新型コロナウイルスに苦しんだ日本の未来へ、連続テレビ小説で日本を明るくするお手伝いができたら幸せです」とコロナ禍の今だからこそ平川氏の思いを届けたいと願う。その声が、3人のヒロインと国民にどのように響いていくのか楽しみだ。
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