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Perfumeが念願の有観客ライブに涙、バックダンサー迎えた初のパフォーマンスや新曲初披露も(ライブレポート / 写真14枚) - 音楽ナタリー

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Perfumeが8月14日と15日に神奈川・ぴあアリーナMMでワンマンライブ「Perfume LIVE 2021 [polygon wave]」を開催した。

Perfume(撮影:上山陽介)

Perfume(撮影:上山陽介)

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Perfumeは2020年2月に東京・東京ドームで2DAYSライブ「Perfume 8th Tour 2020 "P Cubed" in Dome」行う予定だったが、新型コロナウイルス感染症対策で政府から要請された方針に従い、2日目公演が当日開場直前になって急遽中止に。今回のライブは彼女たちにとって、この東京ドーム以来約1年半ぶりの有観客公演となった。また2日目の15日には、全国各地の映画館にてライブビューイングも実施された。この記事では初日である14日のライブの様子をレポートする。

オープニングでのPerfumeの登場シーン。(撮影:上山陽介)

オープニングでのPerfumeの登場シーン。(撮影:上山陽介)[拡大]

会場に入ると、アリーナの中央に広いステージが設置されているのが目に入る。このステージから迷路のようにくねくねと曲がった花道が伸び、アリーナ全体に大きな幾何学模様が描かれている。アリーナ内には客席は一切設けられておらず、観客はスタンド席に着席してステージを観覧。ステージ上の床は一面すべてLEDモニターとなっており、この日は舞台後方のLEDと合わせて2つの巨大なモニターを駆使して、上から見下ろして鑑賞することを想定した映像演出が繰り広げられた。

「不自然なガール」のパフォーマンスの様子。(撮影:上山陽介)

「不自然なガール」のパフォーマンスの様子。(撮影:上山陽介)[拡大]

オープニングムービーを経て、赤いマントを羽織ったPerfumeの3人がアリーナに登場。重厚な低音が響く中「私が、私たちになる。私たちが、みんなになる。みんなが、私たちになる」というメンバーの声が流れ、一瞬の間を置いて「不自然なガール」がスタートした。マントを脱ぎ捨てた3人は、全身黒衣装の16人のバックダンサーを率いてパフォーマンスを披露。ダンサーたちはこの曲のMVを再現するようにカラフルなパネルを持って踊り、ステージの上をポップに彩っていく。Perfumeはこれまで長いキャリアの中で、コラボ企画などを除けばどれだけ大きな会場であっても必ずメンバーだけでステージに立っており、3人以外がステージにいるという誰も予想のつかないような珍しい演出に、観客は声を出すことはできないながらも会場中が静かな興奮で包まれていた。

あ~ちゃん(撮影:木村泰之)

あ~ちゃん(撮影:木村泰之)[拡大]

「不自然なガール」が終わるとダンサーが退場し、続けて披露されたのは「Pick Me Up」と「再生」。床と壁の映像とシンクロしながら、広いステージの上で3人だけでパフォーマンスを展開していく。あ~ちゃんが客席に「会えましたね。ずっと会いたかったよ」と声をかけると、それにオーディエンスは盛大な拍手で応え、あ~ちゃんは早くも涙を流す。彼女は「今しかできない、今だからこそできる演出を皆さんに観ていただきたいと思って持ってきました。みんなに会いたくて、新しい何かを表現したくてたまらなかった1年半、いろんなことを考えてましたが、今日は私たちだけのフィールドで表現したいと思います」と、このライブに込めた思いを説明。感染予防のため歓声を上げられない状況について「音の出るところはほかにもまだあります。手だけじゃない。足もある。頭も振れる。どんな形でも私たちへの思いをバンバン表現してください。全部受け取ります!」「寂しいなんて思わないで、私たちの新時代のライブを築いていきましょう!」と提案した。

のっち(撮影:木村泰之)

のっち(撮影:木村泰之)[拡大]

かしゆか(撮影:木村泰之)

かしゆか(撮影:木村泰之)[拡大]

のっちは「みんなの拍手が声に聞こえる」と感動しつつ、「ライブの前に裏で拍手が聞こえてきたときに、自分の中に眠ってた何かが湧き上がってきて、やっと今Perfumeののっちになれた気がします」と来場者たちに感謝。かしゆかはスタンド席を見渡して「今ここにいるのは、会いに来てくれることを決断した人ですけど、会いに来れない人もいるし、会えるけどやっぱりやめると決断した人もいると思う。どれが正解とかはないから、それぞれの意見を尊重したくて」と会場に来るのを自粛した人に対しても感謝の気持ちを送り、「みんながみんな自分を大切に思った結果の行動だから、お互いを大切に思い合ってライブを成功させましょう!」と呼びかけた。ひさびさに観客の前に立ってコミュニケーションを取れたことで、かしゆかは早くも「もう満足だ。満たされちゃった」とご満悦。のっちも「ゆかさん、私もなんですけど(笑)」と同意した。

恒例のコール&レスポンスも、今は観客は声を出すことができないため、「男子」は握り拳を挙げる、「女子」は手を開いて挙げる、「そうでない人」は下向きピース、「眼鏡」は眼鏡を外して上に、「コンタクト」は“きゅんです”ポーズと、それぞれの呼びかけに対してジェスチャーでリアクションすることに。会場中から沸き上がる拍手を浴びながら、あ~ちゃんは「ステイホーム中にいっぱいライブ映像を観てたけど、画面で観るのと生とでは全然違うね」とうれしそうに話していた。

「TOKYO GIRL」のパフォーマンスの様子。(撮影:上山陽介)

「TOKYO GIRL」のパフォーマンスの様子。(撮影:上山陽介)[拡大]

コロナ禍においてリリース当時とは違った意味を感じさせる「あの頃と 意味は違うけどそうボクらは 生き続けてきた」というフレーズを歌った「Future Pop」が終わると、3人が立つ床には高層ビルの屋上を見下ろすようなCGが映り、そのままシームレスに「TOKYO GIRL」に突入。そのうち屋上の床はビルから離れ、歌い踊る3人を乗せたまま東京の夜空を飛んでいった。「I still love U」ではステージの中央にさらに小さなステージが設置され、そこでパフォーマンスをするメンバーを囲むように再び登場した16人の黒衣がダンス。その後また3人に戻り、セピア色の照明に照らされながらスタンドマイクで「マカロニ」を熱唱した。「マカロニ」では過去に「FUSION」のパフォーマンスなどで行われていたバーチャルシャドウの演出が取り入れられ、壁や床に映り伸び縮みする3人の影が観客に不思議な感覚を与えていた。曲の最後に3人は、自分たちの影をその場に置いてけぼりにし、いたずらっぽく笑いながら走り去っていった。

Perfumeの手の影から逃げるダンサー。(撮影:上山陽介)

Perfumeの手の影から逃げるダンサー。(撮影:上山陽介)[拡大]

「ポリゴンウェイヴ」のパフォーマンスの様子。(撮影:上山陽介)

「ポリゴンウェイヴ」のパフォーマンスの様子。(撮影:上山陽介)[拡大]

メンバーがステージから消えると、不穏な音楽とともに壁面のLEDに3人の映像が流れ始める。映像内の彼女たちが「黒い髪、黒い瞳、黒い影」と声を合わせて穴の中に手を入れると、床にはメンバーのものと思われる巨大な手の影が現れた。ステージ上ではダンサーたちがその手の影から逃げ惑い、3人は暗くつぶやくように「あなたの気配は、私の気配は、みんなの気配は、私を私にしてくれる。でも、それは届かない」と独白。その後ステージの3方に黒いマントを着た3人が現れ、不穏な空気をかき消すようにソロでダンスを繰り広げた。これまでにないほどにのダークで内省的なこの演出は、最後に「私が私になっていく。今、それを届ける」という決意の言葉で締めくくられ、そのままノンストップで「ポリゴンウェイヴ」に突入。この曲では、中にダンサーが入った9種類の多面体がステージに登場。グリッドがベルトコンベアのように流れていく床の映像に、全員がピッタリとリンクして動くという、まるでトリックアートのようなパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。「無限未来」では、踊る3人の残像が滲んで壁や床のLEDに映り、まるで水墨画のような幻想的な雰囲気に。「GLITTER」が始まると観客は無言のままビートに体を揺らしながら手を叩き、サブステージに立ったメンバーは舞い散る銀紙吹雪の光を浴びながら気持ちよさそうにダンスをした。

「ポリリズム」のパフォーマンスの様子。(撮影:上山陽介)

「ポリリズム」のパフォーマンスの様子。(撮影:上山陽介)[拡大]

「Time Warp」のパフォーマンスの様子。(撮影:上山陽介)

「Time Warp」のパフォーマンスの様子。(撮影:上山陽介)[拡大]

観客とのコミュニケーションを楽しむ「『P.T.A.』のコーナー」も、声が出せない状況に対応していつもとは違った内容に。メンバーは「Perfume」「MY COLOR」「Puppy love」「ねぇ」といった楽曲の振り付けを会場を巻き込んで一緒に踊り、無言のままながら観客との一体感を高めていった。そして「FAKE IT」を皮切りに、ラストスパートをかけるように会場は大盛りあがり。歓声を上げられないという制約の中で、オーディエンスは普段以上に大きな音で手を叩き、体の動きで楽しさを表現していた。そしてその拍手の音を力に変えるように、Perfumeのパフォーマンスもどんどん熱気あふれるものに。光の柱に囲まれて神々しく歌った「ポリリズム」や、MVを再現するように花道でダンサーが踊った「Time Warp」、ひさびさにステージで披露された「Miracle Worker」と、Perfumeのライブの楽しさを詰め込んだような楽曲が次々と繰り出されていく。

最後のMCで、かしゆかは「声が出なくても、みんなの拍手から思いがすごく届いて、会場がすごく温かくて。ライブを通してこんなにずっと笑ってたのは初めてなんです」と言って涙ぐみ、自分たちとファンをつなぐ架け橋になってくれているライブスタッフに向けて「一緒に仕事ができて幸せです!」と感謝。のっちはライブが終わることを名残惜しそうにしつつ、客席に向けて「会場に来ることを断念した人がいるのも私たちは知ってるし、友達や家族や仲間の思いを背負ってみんながここに来てくれてるのも知ってます。家で祈ってくれてる人たちの思いも、みんなを通して受け取りました。人生の中で、忘れられない大事な1日になりました」と力強く語った。そしてあ~ちゃんは「この1年半の間、ライブをしようかなと思ったら中止になり、そんなことが続いて『もう一生ライブできないんじゃないかな』って。私たち以上にみんなも思ってたと思います」と切り出し、たくさんのファンからの励ましの言葉のおかげでこの日を迎えることができたと説明。「何か乗り越えられたと思ったらまた何かが起こるし、負けたくない何かが迫ってくることだってあったけど、『笑わないから苦しいんだな』ってわかったんです。感じるままに今を生きようと思って、前を向いて今まで過ごしてきました。毎日体を鍛えながら『なんのためにやってんだろ』とか思ってたけど、ライブが決まると3人ともどんどん表情がキラキラしていきました。これは私たちの生きがいだし、みんなには感謝してもしきれません。それが直接言えて本当に幸せです」と胸の内を明かした。

終演直後のステージ(撮影:上山陽介)

終演直後のステージ(撮影:上山陽介)[拡大]

気持ちのこもった挨拶を経て、あ~ちゃんは「ラストはこの曲がいいんじゃないかと満場一致で決まりました。今日交わしたグルーヴとバイブスをぶつけていただけたら」と客席に声をかけ、「せーの!」と合図。これを察した会場中のオーディエンスが一斉に右腕を挙げ、「MY COLOR」がスタートした。3人は花道を駆け回りながら、来場者1人ひとりをしっかりと確かめるように目線を送って歌唱。会場を幸せな空気で満たして曲が終了した。しかしここでライブが終わるのかと思いきや、一瞬の暗転後、客席の誰もが聴いたことのないメロディが。彼女たちはこの未発表の新曲で、自分たちをミラーボールに例えて「僕はただ廻る鏡 キミこそが光」とファンとの関係性を表現し、そんなファンからの声に背中を押されながら「ステージに立つの」と歌う。ファンとの再会の喜びを伝え続けてきた公演の最後に、ファンとのつながりをテーマにした新曲を初披露したPerfume。鳴り止まない拍手の中で彼女たちがステージを去ると、壁面のLEDには「See you at the next stage.」というファンに向けてのメッセージが映し出された。

なお14日は終演後に、NHK総合で生放送された音楽特番「ライブ・エール2021」にPerfumeがぴあアリーナMMのステージから中継で出演。会場に残ったファンの前で「無限未来」を披露した。また、ワンマンライブ「Perfume LIVE 2021 [polygon wave]」のライブ映像は12月にAmazon Prime Videoで配信を予定。この詳細は後日発表される。

この記事の画像(全14件)

「Perfume LIVE 2021 [polygon wave]」2021年8月14・15日 ぴあアリーナMM セットリスト

OP. システムリブート
01. 不自然なガール
02. Pick Me Up
03. 再生
04. Future Pop
05. TOKYO GIRL
06. I still love U
07. マカロニ
08. ポリゴンウェイヴ
09. 無限未来
10. GLITTER
11. FAKE IT
12. ポリリズム
13. Time Warp
14. Miracle Worker
15. MY COLOR
16. 新曲(未発表)

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